【対象】国民年金や厚生年金に加入している方、過去に加入していた方で、将来の老齢年金の額を知りたい皆さまに向けたご案内です。老齢基礎年金は、保険料納付済期間や免除期間などを合わせた受給資格期間が10年以上ある場合、原則65歳から受け取れます。ただし、受給できる条件を満たすことと、満額を受け取れることは別です。
【必要なもの】お手元のねんきん定期便と、今後の働き方・収入・退職時期についてのメモをご用意ください。ねんきんネットを利用する場合は、マイナポータルとの連携、またはユーザIDの取得による登録が必要です。
年金相談で知りたい金額を整理する
窓口で「年金はいくらもらえますか」と相談する際は、「これまでの加入分を知りたいのか」「今後も働いた場合の見込額を知りたいのか」を添えると、確認したい内容を整理できます。さらに、何歳から受け取りたいかもメモしておくと、試算する条件が明確になります。
年金額は一律ではありません。基礎年金は加入期間などに応じて計算され、厚生年金の加入期間がある方は、加入中の報酬額や期間などに応じた老齢厚生年金が上乗せされます。同じ年齢でも、加入してきた制度や働いた期間が異なれば、見込額も異なります。
日本年金機構の老齢年金の案内では、受給資格と年金額の計算の基本を確認できます。まずはご自身の加入状況を起点にお考えください。
公表されている年金額の対象を見分ける
金額を見る際につまずきやすいのは、「1人分」と「夫婦2人分」、「満額」と「自分の見込額」の違いです。日本年金機構が掲載する2026年度、4月分からの月額は次のとおりです。
| 区分 | 月額 | 対象・前提 |
|---|---|---|
| 老齢基礎年金の満額 | 70,608円 | 昭和31年4月2日以後生まれ・1人分 |
| 老齢基礎年金の満額 | 70,408円 | 昭和31年4月1日以前生まれ・1人分 |
| 標準的な年金額 | 237,279円 | 老齢厚生年金と夫婦2人分の基礎年金満額の合計 |
標準的な年金額は、平均標準報酬月額換算45.5万円で40年間就業した場合のモデル額です。1人あたりの額でも、すべての世帯が受け取れる額でもありません。ご自身の見込額と比べる前に、人数と加入条件をご確認ください。
出典:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」。
ねんきん定期便の表示内容を確かめる
毎年誕生月に届くねんきん定期便は、年齢によって金額の意味が異なります。50歳未満の方は「これまでの加入実績に応じた年金額」、50歳以上の方は「老齢年金の種類と見込額」を確認します。節目の35歳・45歳でも加入実績に応じた額、59歳では見込額が掲載されます。
50歳未満の方は、記載額をそのまま将来の最終的な受給額と捉えないことが大切です。その額は、これまでの加入分を表しています。これからの加入を含めて考えたい場合は、ねんきんネットの試算に進んでいただけます。
定期便を開いたら、金額だけでなく、その欄の見出しもお読みください。表示内容は日本年金機構のねんきん定期便の案内で確認できます。
ねんきんネットで条件を入れて試算する
今後の働き方を反映したい場合は、次の順序で操作します。最初に一つの条件で試算し、その後に退職時期や受給開始年齢を変えると、何による違いかを把握しやすくなります。
- ねんきんネットの登録方法を開き、マイナポータル連携またはユーザID取得で利用登録をします。
- ログインして年金記録を確認した後、年金見込額を試算する機能に進みます。
- 現在と同じ条件で60歳まで加入する想定であれば、かんたん試算で見込額を確認します。
- 働き方を変える予定がある場合は、詳細試算を使い、今後の加入制度、収入見込額、就業見込期間、受給開始年齢などの条件を設定します。
- 試算結果を保存し、条件を変えた結果と比べます。結果は5件まで保存・比較できます。
試算額をメモするときは、設定した収入や就業期間も一緒に残してください。日本年金機構の年金見込額試算の案内でも、かんたん試算と詳細試算の条件の違いを確認できます。
受給開始年齢を変えて見込額を比較する
原則65歳の受給開始を早める繰上げは、60歳から65歳になるまで選べます。昭和37年4月2日以後生まれの方は1か月につき0.4%、60歳開始で最大24%の減額です。それ以前生まれの方は1か月につき0.5%、最大30%となり、繰上げによる減額は生涯続きます。
受給開始を遅らせる繰下げは、原則66歳以後75歳まで選べます。1か月につき0.7%、75歳までの場合は最大84%増額され、その増額は生涯続きます。基礎年金と厚生年金は別々に繰り下げられます。
ただし、昭和27年4月1日以前生まれの方、または平成29年3月31日以前に受給権が発生した方は、上限70歳・最大42%です。日本年金機構の繰下げ受給の案内で対象条件を確かめ、受け取り始める時期と金額を合わせてご検討ください。
窓口での手続き案内を通じて学んだのは、相談前に何をそろえるかを伝える大切さです。年金の相談でも、定期便と試算条件のメモをそろえ、「どの条件の金額か」を確認することから始めていただければと思います。