退職後の健康保険について、窓口での問い合わせで気になるのは「今の保険を続けられるか」「保険料はいくらになるか」という点です。健康保険の任意継続を選ぶ際は、金額の比較と申請期限の確認を一緒に進めると、手続きの順序を整理しやすくなります。
ここでは、協会けんぽに加入していた方を対象にご案内します。皆さまの退職日と加入期間を確かめたうえで、国民健康保険や家族の健康保険の被扶養者になる場合と比べていきましょう。
任意継続の対象と加入期間を確かめる
【対象】協会けんぽの任意継続は、退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上ある方が、期限内に申請することで加入できる制度です。加入期間は最長2年間となります。
退職後の主な選択肢には、任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者になる方法があります。家族の保険に入ることを検討する場合は、被扶養者として認められるかを、その健康保険の窓口へお問い合わせください。
任意継続の条件を満たしていることと、保険料の負担が小さくなることは別の確認事項です。加入できるかを先に確かめ、その後で各選択肢の金額をそろえて比較します。
任意継続の申請と比較に使う情報をそろえる
【必要なもの】相談前には、次の内容が分かる資料やメモをご用意ください。これは比較や問い合わせを進めるための一覧です。申請時の添付書類は、提出先の案内に沿って確認します。

- 退職日と、退職日までの健康保険の加入期間
- 退職時の標準報酬月額と、現在の健康保険料が分かる情報
- お住まいの市区町村と、国保に加入する予定の人数・年齢
- 国保の試算に使う前年の所得が分かる情報
- 家族の健康保険の被扶養者になることを検討する場合は、その加入先
任意継続の計算に使うのは「標準報酬月額」です。手取り額をそのまま当てはめず、ご自身に適用されていた額を確認しておくと、問い合わせが進めやすくなります。
任意継続と国保の保険料を同じ期間で比べる
協会けんぽの任意継続では、退職時の標準報酬月額に上限を適用し、お住まいの都道府県の保険料率を使って保険料を算定します。在職中の事業主負担分も本人が負担するため、おおむね在職中の2倍が目安となりますが、上限などによって異なります。
【2026年度】協会けんぽの任意継続に用いる標準報酬月額の上限は32万円です。これは月々に支払う保険料の上限額ではありません。退職時の標準報酬月額が32万円を超える場合、計算の基礎を32万円とする扱いです。
この上限は、協会けんぽが2025年12月10日に公表した2026年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限で案内されています。
一方、国保の試算では前年の所得などを確認します。江戸川区の国民健康保険料のきまり方でも、前年の所得、加入者数、年齢を基に計算する仕組みが示されています。ご自身の金額は、お住まいの市区町村へお問い合わせください。
- 協会けんぽに、任意継続の保険料を確認します。
- 市区町村に、同じ加入予定期間の国保保険料の試算を依頼します。
- 比較する人数と期間をそろえ、月額と年額を取り違えずに並べます。
退職後の収入見込みだけで判断せず、国保の計算に使われる所得が何年分かも確認します。家族を含めて保険を切り替える場合は、ご本人の分だけで比較していないかを確かめてください。
任意継続の申請期限を数えて提出する
【期限】協会けんぽの任意継続は、退職日の翌日である資格喪失日から20日以内に申請します。20日目が土日祝日に当たる場合は翌営業日です。郵送の場合は期限内の必着となりますので、投函日と到着日を分けて確認してください。

- 退職日の翌日を起点に、申請期限をカレンダーへ記入します。
- お住まいの都道府県の協会けんぽ支部の案内で、申請書と必要な添付書類を確認します。
- 申請書に必要事項を記入し、期限内に同支部へ提出します。
加入条件と期限は、協会けんぽの任意継続の加入条件・手続きをご覧いただけます。保険料の比較に時間がかかりそうな場合も、先に提出期限と必要書類を確認しておくと、残りの日数に合わせて準備できます。
国保の届出期限と例外を問い合わせる
国保への加入が必要な場合は、原則として退職後14日以内の届出が必要です。任意継続の20日以内という期限とは異なります。比較を始める段階で、両方の期限を控えておいてください。
江戸川区の国民健康保険の加入手続きでは、14日以内の届出と、離職理由による保険料軽減制度が案内されています。軽減には届出が必要ですので、該当する可能性がある場合は、市区町村に適用条件を確認し、軽減を反映した試算を依頼します。
国保の届出が遅れた場合、遡った期間の医療費について保険給付を受けられないことがあります。期限を過ぎた場合や、切替時期に受診する場合は、市区町村の国保担当へ状況をお伝えください。
任意継続の加入条件・保険料・提出書類は協会けんぽ支部、国保の試算や軽減は市区町村、被扶養者の認定は家族の健康保険の窓口が問い合わせ先となります。次回は、退職後の国民健康保険への切替について、届出前に確認する項目と手続きの順序を取り上げます。