海外の株式やETFに投資すると、日本国内だけで完結する投資にはない税務上の論点が出てきます。「知らなかった」で損をしないために、最低限押さえておきたい4つのポイントを整理しました。
1. 配当・分配金は「二重課税」になる
たとえば米国上場のETFから分配金を受け取ると、まず米国で源泉徴収(日米租税条約により原則10%)され、その残りに対して日本でも約20%の税金がかかります。これが二重課税です。
2. 外国税額控除で一部を取り戻せる
二重課税を調整する仕組みが外国税額控除です。確定申告で申請すると、外国で納めた税金の一部(限度額あり)を日本の所得税・住民税から差し引けます。
国内証券の特定口座(源泉徴収あり)で保有していても、外国税額控除は自動では適用されません。取り戻したい場合は確定申告が必要です。一方、NISA口座では国内課税がないため、外国税額控除の対象になりません。
3. 譲渡益の計算は「円換算」で行う
売却益は、購入時と売却時それぞれの為替レートで円に換算して計算します。外貨ベースでは利益が出ていなくても、円安が進んでいれば円ベースでは課税対象の利益になることがあります。海外業者を利用している場合は、この計算を自分で行う必要があります。
4. 国外財産調書と海外送金の記録
その年の12月31日時点で、国外にある財産の合計額が5,000万円を超える場合は「国外財産調書」の提出義務があります。また、100万円を超える海外送金は金融機関から税務署に報告されるため、送金の目的と資金の出所を説明できるようにしておきましょう。
確定申告が必要になる主なケース
- 海外業者の口座で売却益や配当を受け取った(特定口座が使えないため)
- 外国税額控除を申請したい
- 複数の証券会社の損益を通算したい、または損失を翌年以降に繰り越したい
税制は改正が多く、個人の所得状況によって最適な選択は変わります。本記事は一般的な解説であり、個別の税務助言ではありません。金額が大きい場合は税理士への相談をおすすめします。
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